⽝と猫の画像診断Q&AWHAT IS YOUR DIAGNOSIS?

2024/03/22

画像診断Q&A「9:左後肢の跛行②」

症例

  • 雑種犬、14歳齢、避妊雌、体重10kg。
  • 1ヶ月前から徐々に進行する左後肢の跛行を主訴に来院した。
  • 股関節X線画像を撮影した結果、左大腿骨骨幹の遠位に浸透状の骨溶解像(黄○)と層状骨膜反応(黄矢印)が認められた。

 

  • 図1:左股関節ラテラル像の拡大図
  • 図2:股関節VD像の拡大図

問題

  • この病変は、侵襲性骨病変と非侵襲性骨病変のどちらに分類されるか?
画像診断医(以下:画)
画像診断医(以下:画)

この症例の骨膜反応はどちらに分類されると思いますか?

研

辺縁が平滑なので、どちらかというと非侵襲性かと思います。

画

骨膜反応は平滑か不整かで侵襲性の有無を判断するのでしたね。この症例の骨膜反応は平滑なので、非侵襲性に分類されます。では骨溶解像についてはどうでしょうか?

研修医(以下:研)
研修医(以下:研)

地図状は侵襲性が比較的低くて、虫食い状は侵襲性が高かった記憶がありますが・・・。浸透状の骨溶解像はどっちだったかな?

画

浸透状の骨溶解像は侵襲性に分類されます。地図状、虫食い状、浸透状の3つの中では最も侵襲性が高い骨溶解像とされています。

研

骨膜反応は非侵襲性で、骨溶解像は侵襲性ということは、結局のところ病変全体としてはどちらに分類すればよいのでしょうか?

画

病変全体としては侵襲性骨病変に分類します。侵襲性骨病変に当てはまる所見がひとつでもあれば、その病変全体を侵襲性骨病変とみなすことになっています。

研

そうなのですね。理解しました。

画

ところで、骨膜反応と骨溶解像以外にも、侵襲性と非侵襲性を見分けるポイントがあるのですが覚えていますか?

問題に対する解答

  • この病変は、侵襲性骨病変と非侵襲性骨病変のどちらに分類されるか?

大腿骨遠位骨幹部の辺縁平滑な骨膜反応は非侵襲性であるが、同部位に認められる浸透性〜虫食い状の骨溶解像のほか、髄内に境界不明瞭な不透過性亢進領域を認め、移行帯はやや長く観察されることから侵襲性骨病変と判断される。

     

    研

    移行帯・・・? すみません。移行帯という用語は確かに覚えがあるのですが、それが何を意味しているのかがわかりません・・・。

    画

    たしかに骨のX線診断以外では聞き慣れない用語ですよね。要するに病変と正常組織との境界が明瞭か不明瞭かということです。病変と正常組織との境界部、これを移行帯と呼ぶのですが、侵襲性骨病変では、病変と正常組織との境界が不明瞭なため、移行帯が長い傾向があります。これに対して、非侵襲性骨病変は病変と正常組織との境界が明瞭なため、移行帯が短い傾向があります。

    研

    この症例は病変と正常組織との境界は不明瞭で、どこまでが病変でどこからが正常組織かとても分かりにくいです。なので、移行帯が長い、ということになのですね。

    画

    はい。以上を踏まえるとこの病変は侵襲性である可能性が高いと判断できますね。

    問題に対する診断のポイント

    骨病変を侵襲性か非侵襲性か分類する。

    以下の3つのうち1つでも当てはまれば侵襲性の骨病変と判断する。

    • 皮質骨の破壊
    • 骨膜反応(不整であるほど侵襲性が疑われる)
    • 病変部から正常部にかけての移行帯が長い

    次回へ続く……

    遠隔読影サービスのご案内はこちら

    お問い合わせCONTACT

    弊社サービスについての質問やご依頼など、お気軽にお問い合わせください。
    お問い合わせフォームかメールよりお受付しております。

    営業時間 AM9:00〜PM5:00
    (定休日:日曜/祝日)
    お問い合わせフォーム